21人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
夜明けのソーダキャンディ
午前4時30分。いつもより早く目が覚めた。
カーテンの隙間から漏れる、青い光。
月光が水底を照らしているみたい。
少し、散歩してみようか。
Tシャツにデニムパンツ。
ポケットに出し忘れのソーダキャンディが1つ。
散歩のお供に連れて行く。
人気のない道。遠くに鳥のさえずり。
夜と朝の狭間でうたた寝をしている。
そんな気分。
東の空が白む。
降り積もる夜と薄明が混ざり合う。
ポケットから取り出したソーダキャンディ。
指先で摘まみ、そっと舌に乗せる。
ぱちん。
ソーダの奥で、瑞々しい朝の香りが弾けた。
最初のコメントを投稿しよう!