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ひだまりラムネ
テーブルの上に小皿が1つ。
駄菓子屋で買ったラムネの蓋に指をひっかける。
ぱこん。
間の抜けた音を立てて、蓋が外れる。
ラムネを小皿に移す。
からから、ころころ。
ラムネ達の軽やかな笑い声が聞こえる。
ふと、小皿の中が静かになって。
テーブルに映るのは、繊細な花模様の影。
顔をあげると、レースのカーテンがお日様と遊んでいる。
ラムネを一粒つまむ。
指先がきらめくのは、透明なマニキュアのおかげ。
ラムネと一緒に、指先も陽光と遊ぶ。
ラムネを口内へ招く。
体の中に夏の日差しが溶けていく。
そんな気がした。
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