ちゃらんぽらんの色

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 ツルスケは爽やかに笑うと、次の土曜日に新宿で会う約束をして、去って行った。 彼のキリッとした後ろ姿が遠ざかるのをボーっと見つめながら思う。 そうか……ツルスケは私のこと忘れずに覚えていてくれたんだな……。 中学生のとき、クラスで皆の輪から外されがちなツルスケに、私はよく手を貸してあげていた。  学芸会の実行委員を押し付けられたツルスケをサポートするために、私も立候補したし、友達がいないツルスケを他の生徒と一緒に遊びに誘ってあげたことも一度や二度ではない。教室でいつも一人ぼっちのツルスケに気づくと声をかけてあげてもいた。 ツルスケは私と再会できたのが本当に嬉しそうだった。こんなチャランポランな私でも役に立てていたんだな、と思うとしみじみと嬉しい。 そして……これはひょっとするとひょっとするかもしれない! 何しろツルスケは私にとても感謝していて、超イケメンのハイスペ男子に変貌していたのだから。  会う約束だって、好意がなければそもそもしないはず。現在彼氏募集中の私にとって願ってもない大チャンスだ。 「やっぱり良いことはしておくものだね! よくやった! 昔の私!」 思わずそう小さくガッツポーズをすると、私は次の土曜日に着て行く服をあれこれ考えながら、軽やかにキーボードを叩いた。
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