魔王として生きる道

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魔王は、自分が支配することになったこの国の衰退ぶりに、呆れ果てていた。 ユーグレス王国の王を捕らえ、魔王がこの国のトップとなった。しかし、この国を支配した時点で、すでに国土は荒れ果てていて、税もまともに回収することができず、トップに君臨したところで何のメリットもなかった。 「おい、魔大臣、なぜこの国はこんなひどいことになっているのだ」 魔王は、あからさまに怒りをにじませて、部屋の隅に立っていた魔大臣に向かって言う。 「魔王様、それはおそらく、あの国王があまりにもずさんな政治を行っていたからです」 「何だと、許せんな。俺が王になったからには全て変えてやる。おい、国民全員の元に魔獣を解き放ち、監視させろ。そして、労働しない国民は、魔王が焼き殺すと言え」 「はい。かしこまりました」 そこから、魔獣が民の元へと放たれた。そして、今まで怠けきっていた民は、魔王の恐怖に怯えながら、労働することとなった。
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