魔王として生きる道

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魔獣に監視され、民が働くようになり、国は栄えるようになった。それに比例して、魔王の元には、民から徴収した税が入るようになった。 「はははは。これでこそ王の支配だ。王が恐怖を与え、民衆はそれに従う。これが正しい政治の形だと思わんか。魔大臣」 魔大臣は、深く深くお辞儀をする。 「はい。その通りでございます。ただ、一つ、気になる情報を耳にしました」 「気になる情報だと」 「はい。民の中で、魔王様に逆らおうとする若者がいます」 「何だと? それは何者だ」 魔王のこめかみがピクピクと動いた。 「はい。町外れの少年です。魔獣に監視されることに憤り、魔王様に恨みをもっているとのことです。これは王のやることではない、と」 「ふん。正義面したガキか」 魔王は玉座から立ち上がる。 「おい、魔大臣よ。明日の朝、俺は町中でパレードをする」 「パレード、ですか」 「そうだ。今すぐ国民に知らせよ。そして、全員に俺のパレードを見に来させるんだ」 「はい、かしこまりました」 魔大臣の手により、パレードの準備は、つつがなく行われていった。
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