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「また、会えたわね」
眩しい光の中、手を伸ばされる。開けられたドアの前に居るのは、勿論ミオだ。
「ミオ、どうしてここがーー」
「夢を見たの。不思議よね」
これは嘘だ。
ミオの周囲のおびただしい数の警察が彼女の必死の捜索を物語っていた。
「あなたが眠りを教えてくれたから、研究報告会でもいい報告が出来たわ。太陽を眠らせる研究ーーあぁ、私、なんだか国の重要人物になったみたいだから」
サラッと告げられた情報は、きっとこんな時でなければ聞き返さないといけない程のビッグニュースだっただろう。
しかし、ミオは初めに僕を誘拐したときのように、有無を言わさずに僕の鼻をつねった。まるで、こちらの方が大事だと言わんばかりに。
「ねぇ、私が誰であっても、私の1秒を一緒に過ごす相手は私は私で決めたいの。あなたは、どう?」
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