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たった一週間。だけど、忘れられない一週間。
わたしにとっては、一番きらきらした時間。
笠原くんと交換した本。もう何度読んだかわからない。
だけど図書室でこの本を広げると、楽しかったあの日を思い出す。もう内容なんて全部覚えてしまったけど、本の中の勇者に笠原くんを重ねて思いだす。
そんなある日、先生からあの本はかなり古くなったし、新装版が出たからそちらを入れて古い方を処分するって聞いた。
あの日々が夢じゃなかったんだって。記念に残したくて。先生に処分すると聞いた貸出カードをもらった。
あらためて見てビックリ。私たちの名前以外書いてなかった。
「ちょっと古かったし、しょっちゅう小牧さんが読んでたからね」
先生になんだか見透かすような笑顔で言われて、思わず顔を隠した。
並んだ名前を見ると、それだけであの日を思い出せる。そう思って、机の引き出しにしまっておいたのだった。
「笠原くん、元気にしてるかな?」
思い返すのは図書室の思い出。
だけど、だれよりもグラウンドが似合っていた彼だから。
きっと今でもグラウンドの勇者なんだろうな。
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