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「ルル、今の何?今のキスみたいな振りは必要?」
ルルは目を見開き、ゆっくり俺から腕を解く。
「本編動画に誘う釣り?こんだけ騒がれててまだ必要?」
しばしの沈黙。待てど2人は口を開かない。
「なんなんだよお前ら」
さすがに恵斗はパソコンをいじるのをやめたようで動作の音がしなくなった。
「ルルさ、俺って一応彼氏ってことでいいんだよね?」
静かにうなずくルル。
「ならさ、俺がルルと恵斗の絡み見て何とも思ってないとでも思ってるの?」
「悪かったって…」
「お前に話してねえよ、俺はルルに聞いてんだよ」
明らかに怯えた表情のルル。
「ごめん」
小さく呟いてルルは走って部屋を出て行った。
「何であいつが出てくんだよ、部屋出るのは俺だろ普通…」
一歩踏み出したところで、先ほど投げ捨てたスマホのケースのバンカーリングを思い切り足の裏で踏んでしまった。ルルが選んだ、星形のものだった。
「いってぇええ」
思い切り叫んで壁を殴り、何だか全てがどうでも良くなった俺は部屋から出ていくのをやめ、テーブルの椅子に腰をかけた。
パソコンのデスクからずっと俺の様子を見ていた恵斗は、ようやく口を開いた。
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