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恵斗はどうだろうか。恵斗はルルを支えているのが俺だという認識でいるようだが、俺から見ると違う。いまだにルルとは肉体関係がない。ルルが俺に求めているのはいつでも甘えられる存在。たまにキスをして、身体を預けられるだけの存在。持て余した時間をつぶしてくれる存在。3年前の義理の兄と同じポジションだ。
恵斗は親友のポジション。
そして、ルルの歌が今好調なのは後ろめたさがあるから。
その後ろめたさを知った当時の兄は耐えきれず、ケンカに発展してしまったのだろうと推測する。
俺は気づいていた。たまにルルが恵斗の部屋で過ごしていること。ことを終え、部屋から出ていくタイミングで何度か鉢合わせそうになり隠れたことがあった。
俺はその事実を知ったところで自分の役割を理解しているから、もうケンカはしないし、何も明かさない。
俺の中でルルは本当に妹のような存在になっていたし、そういう存在になってしまう道を選んだのは俺自身だ。
ルルの歌声で音楽で名を馳せたい恵斗、恵斗と俺で心のバランスを取り歌を歌うルル。
なら俺は、俺の将来のためにお前たちを使って将来の道を築き上げる。
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