プロローグ

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ここは防音設備が完備されているが、この扉を開ければきっとあの子はギャン泣きしているのだろうな、、 そう考えるだけで頬がゆるむ。 あの子には、流石の伊織でさへ困り顔だ。 宥めるという分野においてはあの伊織は不向きなようで、わずかだが、俺が帰ってくるとやっと帰ってきたというような顔をする。それもまた俺の密かな楽しみである。 だがあいつは面倒をみると言う行動は苦手なようだが子供自体はあまり苦手ではないみたいだが、、。 ガチャ 扉を開け、すぐに閉める、さすがに扉を開ければ愛斗の泣く声は外に漏れてしまうからである。たとえ学園長が知っているとはいえ、このことは学園内のトップシークレットであるからだ。 扉をすぐに閉めると、愛斗は抱きついて、まるで猫のように雅人の頬に自分の頬を当て擦り付ける。そして、愛斗の後をおい、伊織も雅人を出迎える。 「ただいま。ご飯はきちんと食べたかい?」 「うん!」 「伊織にはいじめられなかったかい?」 「いおはぼくにやちゃいたべさせりゅの!!」 その言葉にさらに頬が緩んでいく 靴を脱ぎ、カバンを預けて、空いた片手で器用にブレザーを脱いでいく。 リビングにつき、一旦泣きじゃくり目が赤い愛斗の目を伊織が冷やしている間に着替え、すぐに愛斗の元へ向かう。 そして伊織、愛斗を抱っこした雅人とで愛斗の今日一日あったことを聞くのだ。もちろん伊織には愛斗の迎えを頼んでいたので煽りが聞くのは2回目だが真剣にその話を聞く。 これがいつもの日常なのだ。
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