プロローグ

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雅人は学校につき無駄に金をかけた長い長い廊下を歩く 目指すは委員会室だ 「なんであれが、風紀委員長なのかしら、」 「あの方でしたら、僕は7の伊織様が良かったわ」 「なんであの真面目野郎が伊織様と仲がいいん?」 人々の声は多様だ 抱きたいという声もあれば抱かれたいという声もある当然抱きたくない、抱かれたくないという声も それはまぁ人それぞれというものだろう 現代社会においてアルファ、オメガ、ベータなどと言った第二性による偏見や差別的なものは徐々に減り、また、アルファだから抱かなくてはならないという事でも無くなってきた そう世の中は多種多様社会という言葉を掲げ、その言葉通りの社会に、変わっているのだ またこの学園においても、そうだと言えるだろう 第二性の公表が義務付けられていた昔でも今では自己責任となり公表するもしないも、個人の自由となった それにより、雅人は公表などと言った事はせず、また、唯一オメガの判別法である首輪や噛み跡がなく、ベータもしくは、アルファに思われているわけだが、上のように言われているあたり、ベータに思われている。 ちなみに一昔前はアルファはエリートだったようだが、ベータでも努力すればアルファに少し劣るものの、第二性による出世街道はなくなった当然それはオメガにも該当する。しかしオメガには発情期があるため、この多様化社会の中では、オメガ休暇というものが社会に浸透している。 「雅人!」 伊織がうしろから後を追ってくる。 学校で伊織は雅人を呼び捨てにしている。 それは雅人からの命令であった。 学校での人気者である、伊織に様付けとあれば、この色々と目立つという考えだった。 しかし、伊織と雅人達は立場や、環境上、電子機器でのメールのやり取りはあまり行わないようにしていたため、直接のやり取りでなくてはならなかった。 「今日は何時ごろ帰ってくる予定だ?」 「だいたい7時くらいですかね」 彼の目は笑っていないし、家に帰れば今のような人懐っこい笑みはしまいこみ、本来の主人でさへもその冷徹な目で見る男となる。 「わかった。先に飯食べてるからな」 「わかりました」 主人より先にご飯を食べるなど言語道断なのだが、愛斗が雅人がおらず、伊織が離乳食を食べさせてくれるものの、その雰囲気を幼いながらも察したのだろう。 癇癪を起こして大変だったのだ。 雅人は帰ってきた時に泣きながら抱きついてきた愛斗の顔が思い浮かび、次々に思い浮かぶ記憶に雅人は笑みを浮かべた ーーーー 名前 健人→伊織 遥人→愛斗 雅人はすてい
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