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目を覚ましてすぐ目に入ったのは見覚えのない壁だった。
(ここどこだ……?)
次に気付いたのは肌に当たる布団の感触。
(服着てない……⁉︎ 何があった……⁉︎)
恐る恐る隣を見ると1人の男が眠っている。布団から出る肩や腕は何も身につけていない。
それに、その少し癖のある茶色い髪は、まさか──。
何かの間違いだ。だってこれは俺の一方的な片想いで、永遠に隠し続けるつもりだった。結婚だって表面上は祝うつもりで来たのに、なんで同じベッドに裸で寝てるんだ?
龍也は昨日のことを覚えてるのか? いったいどっちから誘った? まさか俺が無理矢理──?
「ん……」
ヤバい、龍也が目を覚ました。こうなったらもう謝るしかない。たとえ許されないとしても。
「龍也! 悪い! 昨日飲み過ぎて……!」
「あぁ、だいぶ悪酔いしてたもんなぁ」
土下座する俺の耳に嘲笑うような声が聞こえる。それは俺の想像よりもだいぶ低くて甘い声だった。
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