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龍也とは友達以上になれるなんて期待してたわけじゃないし、いつかこういう日が来ることだって考えなかったわけじゃない。だけどいざその日を迎えて、もう二度と俺の手の届かないところに行ってしまったんだと思ったらやっぱり悔しくて、悲しくて。
その上会ったばかりの40手前のあんなおっさんにいいようにされて、しかもそれが1回きりじゃなくてこれからもまた同じことか、それ以上に酷い仕打ちを受けることが確定している。
自業自得とはいえこんなに不幸が続くなんて。せめて今だけは全部忘れたくて、泥のように眠り続けた。
次に目を開けた時、部屋の中は真っ暗で今が夢か現実か、理解するのにも少し時間がかかってしまった。
だけど手を入れたポケットの中にある紙が夢ではないと告げている。気は乗らないけどこのまま放置していたらどうなるか。俺だけならまだしも、龍也を巻き込むわけにはいかないんだ。
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