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そう思ってベッドの上や服のポケットを探したがスマホが見つからない。鞄に入れたのかと思ったが、そもそも鞄は持っていないようだ。おそらくスマホを持って風呂に行ったのだろう。裸のまま一切隠すような素振りすらなかったくせに、どこに隠し持ってたんだ。
それにしたってあんなの撮ってどうする──。
「何やってんだ、人の服掴んで。俺の匂いでも嗅いでたか?」
「うわっ⁉︎ そんなことしてませんよ!」
思わず持ってた服を床に叩き付ける。そこまでしても決して怒ることもなく、平然とその服を拾い上げていた。
「なんか違和感あんなと思ったら今日敬語なのか。無理して敬語使わなくていいぞ? 昨日ずっとタメ口だったろ」
「……昨日のことなんて何も覚えてないんで。失礼があったなら謝ります」
「別にねえよ。ただあんなに愛し合ったのに、忘れるなよ」
「はぁ⁉︎ 愛し合ってなんか……!」
さっきの動画を見た限りでは、確かに嫌がったりはしていない。ただなんでそんなことになったのかわからないけど、俺があいつを龍也だと勘違いしていたのなら、あんたと愛し合ったわけじゃない。
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