6話(完)

1/1
前へ
 /6ページ
次へ

6話(完)

 その数日後、ベルナールから結婚式の企画書が届き、あれよあれよという間に国を挙げての結婚式の準備が進んでいった。  王族でもないのに国を挙げての式など前代未聞だ。  リカルドとノクスは何度も王に中止を進言したが聞き入れてはもらえなかった。  いまだにマイノリティである同性婚のアピールに使いたいという思惑もあるのだろう。  約1か月後の4月22日にパレシアの中心にあるロシュナ教のブレニアン教会で上げることとなり、国民にも触書が出た。 「はあ、大変なことになったな」 「ああ、もう腹を括るしかあるまい」   リカルドの部屋で、企画書の内容を確認しながら二人で頭を抱える。 リカルドがぼやくと腹を括ったノクスが、面白そうに笑う。 「ふふ、こうなってしまっては絶対離婚できないな」 「そうだな。まあ、離婚なんてしねえけど」  リカルドもノクスを見てにやりと笑った。  式までの1か月間、二人は沢山の人から祝福されたりからかわれたり、掛けられた言葉の中には悪意交じりの言葉もあった。  デュラン騎士団の団長会議で他の騎士団長たちに発表した時には、顔をしかめる者もいたが、第五騎士団のセルジオ・ロッコ将軍だけは元々リカルドと仲が良かったこともあり、心から祝福してくれた。    式が近づくにつれいよいよ結婚するんだなという実感がわいてくる。    そして4月22日。いよいよ結婚式当日を迎えた。  空は快晴で、天も二人の門出を祝福しているようだ。  結婚衣装は王のお抱えの服職人が用意し、髪も王専属の髪結い師が整えた。指輪だけはオースの街で二人で買ったものを使わせてもらうことになっている。  結婚式のジンクスで衣装合わせは別々で、当日までお互いの結婚衣装姿を見ることはできていない。  教会の客席の最前列には王のベルナールと王妃が着席し、その後ろに三人の将軍、その後ろに友人や部下が並んでいる。ノクスの両親もこんな大ごとになっては参列せざるを得ず、苦い顔をしながらも高級な衣装を身にまとい参列している。  ノクスの兄のルシオラも参列しており、リカルドは先日挨拶を済ませることができた。ルシオラはあまりノクスとは似ていない顔を渋らせ、仕方無く了承した。    オルガンが鳴り響く中、聖職者と共にリカルドが緊張気味に入場し祭壇へと向かう。金糸の刺繡をふんだんにあしらった上品で豪勢な白い結婚衣装に、胸にはカサブランカのブートニアを付けている。 いつも無造作におろされた長めの髪はさっぱりと切られており、長い前髪も上げられていて、どこかの王族のような貫録がある。  参列者の女性からも感嘆のため息がこぼれる。  顎髭も剃れと言われたが、これだけは自分のアイデンティティーだと言って断固拒否した。  リカルドの付添人はアレックスに、ノクス側の付添人はマルセルに頼んだ。  二人とも正装に身を包み、緊張した様子で祭壇の両脇に立っている。  アレックスの手元にはリングピローがあり、その上には二人がオースの街で買ったマーガレットのペアリングが銀の輝きを放っている。  普通は親族などに頼むのが慣習だが、リカルドには親族はいないので親友であるアレックスに、ノクスも自分たちを心から祝ってくれる者にと、マルセルに頼んだ。    教会の神聖な雰囲気に、緊張でリカルドごくりと唾を飲む。  しばらくすると、靴音と共に教会の入り口に白い衣装をまとったノクスが現れる。その姿にリカルドがはっと目を見開く。    白に銀の刺繍をあしらった衣装はとても美しく、リカルドのものとデザインは少し違うが、並ぶと対のように見える。ノクスの金髪は緩く横で編みこまれ、そこにカサブランカやアイビーの葉があしらわれている。手元には同じくカサブランカのブーケを持っていて神々しいまでに美しかった。   客席からもあまりの美しさにため息がこぼれる。もうずっと知っている人間なのに別人のようだった。 ノクスは厳かに絨毯の上を歩いてリカルドの隣に並ぶ。リカルドはあまりの美しさにノクスから目が離せない。 「なんだ、あまりジロジロ見るな。集中しろ」   ノクスが小声で注意する。 「いや、あんまりきれいだから驚いて……」 「馬鹿。いいから集中しろ」  そういうとノクスは少しほほを赤らめ、照れ隠しに軽くリカルドのつま先を蹴る。  賛美歌斉唱、聖職者による聖書朗読、祈祷とつつがなく式が進行していく。  リカルドはだんだん飽きて来たのかあくびをかみ殺す。それを見逃さなかったノクスがすかさず足を蹴る。   「いてっ」  思わず小さな声が出てしまい、リカルドがノクスを見ると冷ややかな目でジロリと睨まれた。    そしていよいよ誓約に移る。  二人は向き合うと、お互い緊張で顔が強張っていた。   「汝リカルド・ノアは、この男ノクス・ヴァレンシュタインを夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」  聖職者が宣誓文を読み上げるとリカルドはすっと背を伸ばし、しっかりと答える。  「誓います」    緊張していたせいか少し声が裏返ってしまった。   「汝ノクス・ヴァレンシュタインは、この男リカルド・ノアを夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」 「誓います」    ノクスは真っすぐとした凛とした声で答える。 「では、指輪交換の交換を」    聖職者が促すと脇に控えていたアレックスが聖職者のもとにリングを運ぶ。  ノクスは持っていたブーケをマルセルに預ける。  マルセルを見ると目の下を真っ赤にして目に涙を浮かべ、今にも泣きだしそうだった。ノクスはマルセルに微笑みかけ感謝の気持ちを伝える。  リカルドの方に向き直るとすでにリカルドはノクスの指輪を持っていた。  ノクスが左手を差し出す。  リカルドはそれを左手で取ると、右手でリングをノクスの薬指にはめる。緊張して少しもたついたが何とかうまくはめることができた。  ノクスはリカルドの左手をひっくり返すと、右手でリングピローから指輪を取る。器用なノクスはスムーズにリカルドの左手の薬指に指輪をはめる。    一仕事終えて小さな息を吐く。二人は見つめ合うと達成感と多幸感が胸一杯に広がる。  微笑み合っていると聖職者が二人に声をかける。 「では、誓いのキスを」  それを聞くと再び緊張が二人を襲う。  さすがに今まで人前で堂々とキスしたことはない。  同性同士のキスに嫌悪感を持つ人もいるかもしれない。  リハーサル時、頬や額でも構わないと言われたが、自分たちの覚悟を見せるためにも唇にしようと話し合っていた。  だが、やはり緊張する。  リカルドが唇をもごもごさせて、なかなか顔を近づけられずにいるとノクスがぷっと噴き出す。   「なんだその変な顔」 「なに?!」  リカルドが言い返そうとすると、その唇をさっとノクスが塞ぐ。  客席からきゃあと小さな悲鳴が聞こえる。  驚いたリカルドはこのままやられっぱなしは悔しいと、唇の隙間から舌を入れる。  ノクスが目を見開く。さすがに舌を入れられるとは思っていなかった。  さすがに神前で長々とディープキスは良くないだろうとリカルドが唇を離すとノクスが悔しそうに睨んできた。  いたずらっぽくリカルドが歯を出して笑うとノクスもあきれたように笑みを返す。  神聖さも何もないが、自分たちらしい誓いのキスだった。 「ここに二人の結婚が成立しましたことを宣言いたします。」  聖職者が高らかに宣言すると客席から拍手が沸き起こる。  ノクスとリカルドは一礼すると手を取り合い拍手の雨に包まれながら絨毯の敷かれた通路を歩いて出口へと向かう。  扉の外は快晴で光に溢れておりまさに、二人を祝福しているようだった。光に包まれるように外に出る。    外に出ると広場は地面が見えないほどの人で埋め尽くされていた。  拍手と歓声、色とりどりの花びら、祝福の言葉の嵐が二人を包み込む。 「リカルド様、ノクス様、おめでとうございます!」 「おめでとうございます!」 「末永くお幸せに!」  人々が口々に声をかけ、花びらを投げる。  ああ、両親や兄には心から祝ってもらえなかったが、こうして沢山の人が自分たちを祝福してくれている。  そう思うと胸が熱くなってこみあげてくるものがあった。それをぐっと我慢し、ノクスは人々に向かってカサブランカのブーケを観衆に向かって投げる。  ロシュナ教ではブーケは幸せのおすそ分けを意味し、それを受け取った人には幸運がもたらされるという。  ブーケにわっと人が集まる。人混みの中からブーケを掲げたのは若い娘だった。娘は嬉しそうに微笑む。 それを見てリカルドとノクスも微笑んだ。是非幸せになってほしい。  その後は城の広間を使って披露宴を兼ねたダンスパーティーが催された。  さすがに王族でもない者が城の施設を使うのは憚られたので、何度も断ったのだが、経費の面でも城の施設を使った方が経済的だとベルナールが譲らず、会場を大広間でなく小さめの広間にしてもらうことで折り合いをつけた。  ノクスとリカルドは招待客たちから次々にダンスを申し込まれ、ひたすら踊り続けるという苦行を味わうことになる。 「き、きつい…」 「ああ、結婚式がこんなに大変だったとは…」  新郎席で一息ついたリカルドがこぼす。  ノクスも水を飲みながら同意する。  最初は笑顔で対応してきた二人だったがだんだん厳しくなってきた。 それでも自分たちを祝うために来てくれたゲストをがっかりさせるわけにはいかない。  二人はパーティーの終了時間までほぼ休むことなくゲストをもてなした。  パーティーがお開きになり、やっと二人は宿舎のノクスの部屋に戻ってきた。 「はー、つっかれた~」 「ああ、もう一歩も歩けない‥‥」   二人は靴を脱ぎながらソファに座る。 「でも、やってよかったな。結婚式。」 「そうだな、いろいろと大変だったが、いい思い出になった。周知する手間も省けたしな」  ソファにだらりと座ったリカルドが笑顔で言う。  ノクスも結婚衣装の上着を脱ぎながら同意する。   「疲れただろ?メイドが風呂を用意してくれてるから入ってこい」   ノクスがリカルドに風呂を進めると、リカルドがにやりと悪戯っぽく笑う。   「一緒に入る?」 「馬鹿、狭くて疲れが取れるか。さっさと入ってこい」 「はいはい……」  ノクスが冷たく言うとリカルドは口を尖らせながら浴室に向かう。  風呂を入れるのは給湯室から何度も湯を運ばなくてはいけないのでとても大変な作業だったが、大の風呂好きのノクスのために使用人たちは指定した時間に風呂を用意してくれている。  左目の眼帯を外し、湯舟に浸かると疲れが湯に溶けていくようだった。 充分温まってからリネンのバスローブに身を包み、部屋に戻る。 ノクスはすでに部屋着に着替えており、髪飾りもすっかり外されていた。 「あ、もう着替えたのか、残念だな。もっと見ていたかったのに」 「十分見ただろうが。あの格好は疲れるんだ」 「ああ、でもすっげえ綺麗だったな。天使がお迎えに来たのかと思った」  リカルドがノクスの三つ編みを弄りながら言う。  「大げさだな。まあ、お前も、いつもの海賊が見違えたぞ。馬子にも衣裳というやつだな」 「素直に褒めろよ」 「じゃあ私も風呂に入ってくるから。……寝るなよ」 「はいはい」    ノクスは念を押すと浴室へと消えていく。 ノクスが入浴中、リカルドはソファに腰掛けワインを飲みながら今日の事を思い出していた。  みんな笑顔で、中には泣いてくれる人もいて。マルセルは大号泣していた。自分たちはいい隣人に恵まれている。本当に幸せ者だ、と幸せを噛み締める。  やはり皆にノクスとの仲を認められて、祝福されるのは嬉しかった。    しばらくするとバスローブ姿のノクスが戻ってくる。髪の毛は洗わずにほどいただけのようだが先ほどまで編んでいたせいか緩くウェーブがかかっていていつもより柔らかな印象で可愛い。 「お帰り。お前も飲むか?」 「じゃあ、少しだけ」  ノクスがリカルドの横に腰掛ける。  バスオイルを使ったのか薔薇の花の良い香りが漂ってくる。  リカルドは用意していたもう一つのグラスにワインを少しだけ注いでノクスに手渡す。受けとったワインを一口飲んでからノクスがしみじみとこぼす。   「私は、今日の事を一生忘れないだろうな」 「俺もだ。最初は国民の前で結婚式とかって思ってたけど、やってよかったな」 「そうだな」    リカルドがそういうとノクスも同意して頷く。 「ノクスのご両親とお兄さんも来てくれてよかったな」 「まあ、王の手前上、来ないわけにもいくまい」 「そうだけどさ、やっぱうれしいもんだな」 「………まあ、そうだな。これからじっくり時間をかけて受け入れてもらうよ」 「ああ、俺も認めてもらえるように頑張る」  リカルドはグラスをテーブルに置くと、ノクスの髪に手を伸ばす。 「にしても、髪、フワフワしてて可愛いな。」 「は?」   その柔らかな質感を楽しむように髪をなでる。   「いつものサラサラもいいけど、たまにはこういうのもいいな。」 「そうか?洗えば元に戻ると思うが、髪を洗うと乾くのに時間がかかるしな。それに……その、濡れていると冷たいだろ……触ると……」   ノクスが少し照れながら言うとリカルドがにやりと笑う。   「え?何、照れてんの?今更?」 「うるさい!……一応、今夜は結婚初夜……なわけだし……」 「……結婚初夜って言われるとなんか緊張するな……」 「ふん、今更なんだろ?」   挑発するようにノクスがリカルドの顎を撫でる。 するとそれを合図にするようにリカルドが顔を近づけノクスの唇にキスをする。  舌を絡め合い、角度を変えたり、唇を食んだりして十分に唇を楽しんだ後ノクスの耳にリカルドが優しくささやく。   「ベット、行こう」    ノクスは小さくうなずくとリカルドに手を引かれベットに移動する。  リカルドがベットに腰掛け、立っているノクスのローブに手を掛けようとするとパッとノクスがローブの前を合わせる。 「ん?どうした?」    不思議そうに見るリカルドに頬を真っ赤に染めたノクスが言う。 「……その………お前にプレゼントがある………」 「プレゼント?なんだ?」 「……絶対引くなよ……」 「ん?なんで?」 「いいから、絶対引かないって約束しろ!」 「わ、わかった。絶対引かない」 「よし……」  そういうとノクスがローブの紐を解いてそうっと前を開く。  すると、そこには白いレースの小さなブラジャーが胸を覆っており、その隙間からピンクの乳首がのぞいていた。  腰には美しいフリルがあしらわれたガーターベルトがつけられており、太ももにつけられた白いレースの薄いストッキングにつながっている。  その下には白いレースのパンティが履かれており、うっすらとピンクの性器と金色の毛が透けていて清純さと淫靡さが同居しており、リカルドは思わず口を手で覆う。  無言になるリカルドにノクスが真っ赤になりながら怒る 「おい、引かないって約束しただろ!」 「いや、違う違う、引いてないって。あんまりエロすぎて鼻血出そうで……」  慌ててリカルドが否定すると照れ隠しするようにノクスがリカルドを見下ろす。   「……ふん、お前はどスケベだからな。こういうの好きだと思って特注したのだ」 「特注?!それってサイズとか測らせたってこと?!」 「ああ。もちろん、私とは分からないように変装していったから大丈夫だ」 「いや、全然大丈夫じゃないし!!」    リカルドがノクスの腰にぎゅっと抱き着く。  「俺以外に裸見せんなよ」    ノクスを見上げながらむくれて言うリカルドがちょっと可愛く見えて頭をなでる。 「ちゃんと下着はつけていたぞ」 「そういう問題じゃない!」  まだむくれているリカルドにノクスがふっと笑う。   「で、感想は?」 「めちゃくちゃエロい!可愛い!最高のプレゼントだ。ありがとうノクス」 「………ん、だったらいい」    満足そうにそう言うとバスローブを床に落とし、嬉しそうにリカルドの膝に乗る。 そのまま唇にキスを落とすと、リカルドもそれに答えつつ、ノクスの体をまさぐる。  唇を離すと大きく息を吐き、リカルドはそのまま顔を胸に寄せてレースの隙間から覗くピンクの乳首をペロリとなめる。 「んっ」   ノクスの口から甘い声が漏れる。 「かーわいい」 「うるさい。黙ってやれ」 リカルドがにやりと笑うとノクスがムッとする。 「はいはい」  再び乳首をなめたり吸ったりして感触を楽しんでいると、ノクスがもじもじと体を揺らす。 「リカルド、もう片方も……」    恥ずかしそうに言うノクスに満足そうに笑うと、リカルドはもう片方の乳首を指で摘まむ。柔らかかった膨らみが段々と尖ってコリコリと硬くなる。   「でも、これ、下着の意味なんもねえよな……乳首丸見えだし。エロすぎるだろ」 「ん……んん……あっ……」  指と舌で乳首の感触を楽しんでいるとノクスの甘い声が部屋に響く。   その声に興奮してきたリカルドの性器がノクスの性器を押し上げて、思わずノクスが性器を擦り付ける。  そのしぐさにたまらなくなったリカルドは尻をなでようとノクスのパンティの隙間から手を差し入れる。   「ん?」    差し入れた手が布の外に出た感覚がして、ノクスの脇から背中側を確認する。  するとパンティの真ん中がぱっくり割れて、隙間から自分の手がのぞいていた。 「すげえ、ケツワレかよ……エロすぎるだろ……」 「うるさい、いちいち言わなくていい」 「スケベだな~~」    リカルドがからかうようにニヤニヤと笑いながら尻をなでると、真っ赤になったノクスが少し羽目を外しすぎたかと不安になってくる。  「……スケベなのは嫌いか?」  「いや、好きな子がエッチとか最高だろ。俺もスケベだし。やっぱ俺たちの相性最高だな」    嬉しそうに笑うと、チュッと頬にキスをしてノクスをベットに寝かせる。  リカルドはバスローブと下着を脱ぎ捨て、ノクスの上に覆いかぶさる。  唇に軽いキスをしながらリカルドの手が胸や腹を撫でまわすと、そのたびに気持ちよさそうにノクスの体が浮き上がるのが可愛くて仕方ない。  そのまま、首筋、鎖骨、胸、へそ、と体をずらしながらキスをしていく。足の間に体を入れて足を持ち上げる。太ももの付け根にキスをするとピクンとノクスの体が跳ねる。  「可愛いな」    リカルドがそう言うと、ノクスが羞恥と期待に満ちた目でリカルドを見る。  ノクスの性器は半分以上立ち上がっていて、苦しそうだなと思ってパンティを脱がそうと手をかける。  「あ………」    ノクスの声と共にパンティの真ん中が開いて性器が飛び出す。パンティの上部にはリボンが付いており性器の上にリボンが乗っているように見えてあまりのエロ可愛さにリカルドの頭の血が沸き上がる。 「まじか、これ前も開くの?スケベすぎるだろ………たまんねえな……」    リカルドはごくりと唾をのみしげしげとパンティの隙間から覗く性器を眺める。  さすがにノクスも恥ずかしくなってきて手で顔を隠す。  早くぐちゃぐちゃになってしまえばこの恥ずかしさも忘れられる。   「ん、もう早く……」 「分かった、わかった。」    ノクスの亀頭にちゅっとキスをするとサイドテーブルの引き出しに入っている香油を取るために手を伸ばす。   体をずらしたときに見えたリカルドの股間は完全に立ち上がっており、先端が期待で濡れていた。準備は万全のようだった。ノクスの胸が高鳴る。いつもとやることは一緒なのに、やはりシチュエーションが違うとドキドキする。  香油の小瓶を取り出したリカルドはそれを掌に取るとバラの香りがふわっと広がる。 「足上げて」  リカルドがそういうとノクスは羞恥を感じながらも言われるがままに足を上げる。  こんなみっともない恰好リカルド以外には見せられない。  ピンクの蕾が丸見えになり、リカルドがぺろりと唇をなめる。 「いい眺めだな」 「ばか、黙ってやれ」 「はいはい。ホント可愛いなあお前は」  リカルドは蕾に香油を垂らして指を一本ずつ入れていく。 結婚式前は忙しかったこともあり、挿入は1週間ぶりだった。 「ん……」    ノクスの反応に大丈夫そうだな、と指をもう一本増やしてく。2本の指でぐちゅぐちゅと入口を広げていく。そのたびに性器とリボンが揺れて、あまりのエロ可愛さにリカルドの頭がくらくらしてくる。  早くこの中に突っ込みたい。  その欲望を抑え込み、丁寧に解していく。 「ん……あっ……あっ……」    ノクスが気持ちよさそうな声を上げる。 「気持ちいいか?」 「うん……気持ちいい……」    とろけた顔が超絶にエロ可愛い。  ノクスの手がリカルドの首に回され、引き寄せ耳元で囁く。   「……リカルドも……一緒に気持ちよくなって……」    それを聞くとリカルドの理性がプチンと切れた。  性急に香油を性器に塗りたくるとノクスの足を持ち上げ、ノクスの後孔に性器を押し当てる。  腰を振りながら少しずつ中に侵入していく。  揺さぶるたびにノクスから高い声が漏れ出て、その声が脳天を刺激する。  リカルドは全て性器を埋めきると「はあ」と大きな息を吐く。 「お前の中、暖かくて柔らかくてすげえ気持ちいい……」    リカルドがうっとりとそういうとノクスが嬉しそうに微笑む。  快感からか目の端にじんわりと涙が浮かんでいる。 「ん……お前が気持ちいいと私も気持ちいい……」 「一緒にもっと気持ちよくなろうぜ」    そういうとリカルドはゆっくりと腰を振り始める。  ノクスも少しでもリカルドを気持ちよくさせたいと、リカルドに合わせて一緒に腰を動かす。   「あ、あ……ん‥‥あっ……ああっ……いい……」 「俺も、めちゃくちゃ……いい……!」  腰を振るスピードが上がっていく。 「あ、ああ……そこ……き、気持ちいい……」 「ん?ここか?」  少し角度を変えてノクスの好きなところを付いてやる。 「ひ……んっ!」  ノクスの胸が仰け反って悲鳴に近い高い声が上がる。  それを聞いてリカルドがにやりと笑う。その顔が雄臭くて、色っぽくてノクスは興奮した。この顔を見れるのは自分だけだという優越感に浸る。  ノクスの良いところを見つけたリカルドはそこを重点的に攻め上げる。  ぐちゅぐちゅという湿った音に段々理性が麻痺してくる。 「あっ、あっ……もう、だめ……いく……いくぅ……」 「ああ、一緒に、いこう……中に……出していいか……?」 「うん、うん……中に、中に出して……」  さらにリカルドの動きが激しくなっていく。 「はぁっ……いく、いくぞ……!」 「うん、私……も……あ、ああ……」 「ぐ……ぅっ……」 「あああっ……ん!」  リカルドが小さくうめくとノクスの体内に熱い迸りを感じる。  それと同時にノクスの性器からも勢いよく白い液体が飛び出しリカルドの腹を汚す。リカルドは絞り出すように腰を揺らして精液を出し切る。  その温かさにノクスは幸福感を感じていた。  自分が女だったなら、この男の子供を産めたのだろうか。リカルドの精液が入った腹をなでる。  別に女になりたいとは思ったことはなかったが、もし自分が女だったらこの男に家族を作ってやりたかった。  女になることも子供を作ることはできないが今日家族になったのだと思うとなんだか胸がいっぱいになってきた。  精液を出し切ったリカルドが脱力してノクスの上に倒れる。 「はあ……気持ちよかった……ありがとな」    リカルドはそういうとノクスの頬にキスをする。  体を起こして先ほど脱いだ自分のバスローブをノクスの腰の下に敷きゆっくり性器を抜き出す。性器と共にドロリとリカルドの精液が穴から垂れる。 「うわ、えっろ……」 「……あまり見るな。スケベ……」 「スケベしてるんだから見てもいいだろ」   真っ赤な顔をしたノクスが目線をそらす。   嬉しそうにリカルドがノクスの内股をなでるとまだ先ほどの余韻が残ってるのかピクンと小さく痙攣する。  それを見るとまたリカルドの性器が少し反応する。  「ちょっと休憩したらもう一回な」    そういうと膝にキスをして、サイドテーブルのピッチャーからグラスに水を注ぎノクスへ渡す。  ノクスはけだるげにそれを受け取るとコクコクと少しずつ水を嚥下する。  汗で髪の毛がしっとりと肌に張り付き何とも色っぽい。  それにしても本当にエロい格好だ。エッチ前もめちゃくちゃエロかったが、やった後はさらにエロい。微妙に下着がずれているのもまたたまらない。  何とかしてこの格好を保存できないものか、と思案していたところ、いつもノクスが使っている姿見が目に入る。  リカルドはベットから降り、その姿身を移動させる。   「リカルド、何する気だ?」 「まあまあ……」    ベットの足元に姿見を置くとノクスの隣に戻ってくる。 「リカルド………まさか………」 「いや~、折角こんなエロい格好してくれたんだから、全体を目に焼き付けておきたいと思ってな。」 「絶対嫌だからな!」    リカルドはベットの下で土下座する。真っ裸の男の土下座はかなりシュールだった。   「お願いします!」 「いやだ!というか、こんなことで土下座するな!お前にプライドはないのか?!」 「これに関してはない!」 「馬鹿だろ?!」 「今日は結婚記念日だぞ。俺へのご祝儀だと思って!」 「……私も結婚したんだが……」 「一生の思い出にするから!」  必死の表情でそういわれると、気持ちが揺らぐ。今日は特別な日だ。  できればリカルドの望むことはしてやりたい……。 「~~~~~~~今回だけだからな」  しぶしぶ了承するとリカルドがノクス飛びつく。 「やったー!ありがとう!!」  感謝のキスを頬にするとリカルドはいそいそとノクスを後ろから抱えるように回り込む。  正面を見ると鏡があり二人の姿がしっかりと映っている。  改めて自分の姿を見ると破廉恥すぎて、恥ずかしくて見ていられないとノクスが目をそらす。  ただ、その姿を見て少し興奮してしまったのも事実で、だらんと垂れていたノクスの性器が少し持ち上がる。 「なに、エッチな自分の姿見て興奮しちゃった?」    リカルドはそれを見逃さず、後ろから乳首を弄りながら揶揄うようにノクスにささやく。 ノクスの頬が羞恥で赤く染まる。  「ホント可愛いな……それにめちゃくちゃきれいだ。ほら、見てみろ」    リカルドが首筋にキスしながら鏡を見るようにノクスを促す。  ノクスは首を振って鏡を見ようとしないので、リカルドはノクスの性器に手を伸ばしこすり上げる。 「ん……んん……」 「ほら、お前の気持ちよさそうな顔、めちゃくちゃエロくて可愛い。それに、お前の穴、まだ俺の精液が残っててめちゃくちゃエッチだ」    そういって指で後孔を広げるとトロリと精液が流れ出る。    「ほら、出た来た。トロトロで気持ちよさそうだ」   さすがの言葉攻めにたまらなくなってきたノクスが真っ赤な顔でリカルドを睨む。  「もう、その言葉攻めやめろ!」    リカルドはにやりと笑うとノクスの両足を持ち上げ後孔に性器を突き立てる  「あっ……ん……!」    いきなり入れられたので大きな声が出てしまった。  さっきまで入れられていたし、精液が潤滑剤になっていたので痛みは感じなかった。  ノクスがジロリとリカルドを睨むがうっすらと涙で潤んでいて効果は薄かった。  リカルドは満足そうに笑うとゆっくりと腰を揺らす。 「ほら、お前の穴に俺のチンコが入ってる。すごいぞ。俺の事離したくないってきゅうきゅう締め付けてくる」 「ん……ん……馬鹿……!エロオヤジ……!」    悪態を付くがそれすらも甘い声になってしまう。  「お前がエロすぎるのが悪い」  「ああっ……あっ……」    だんだんと動きを早くしていく。  揺するたびにノクスの口から声が漏れる。 「ああ、本当に可愛いな……ノクス……好き……大好きだ……」  リカルドが興奮しているのが分かって嬉しくなってくる。  この男が喜んでくれるなら多少の恥など捨ててしまえ。  「私も好き……リカルドが好き……」    リカルドの方を向くと唇にキスをする。  それを合図にリカルドが更に抽送を激しくする。 「あっん!あっ‥・あっ…!」 「はあ……はあ……ノクス……ノクス……」 「ああっ、リカルド……また、いっちゃう……!あっ、んんっ……」 「ああ。何度でもいこう……」  そして再び絶頂を迎える。   「ああっ――――……!」 「ぐぅっ…………!」    二人同時に果てるとはあはあと荒い息を整えつつ顔を見合わせる。  リカルドが真面目な顔をしてノクスの目をじっと見つめる。 「一生、傍にいてくれ」    その気持ちが嬉しくてノクスの目から涙が零れ落ちる。 「ああ。一生離れない」    そういうと二人は今日一番の深いキスを交わした。      結局その後、鏡を見ながらバックでもう一回した後、それまでの疲れもあってか二人は意識を失うように眠りについた。  結婚式の1週間前から準備に追われ、あまり寝れていなかったこともあり、二人して起きたのは日がすでに登り切っていたころだった。 「さすがに寝すぎたな」 「ああ、今日一日休みにしておいてよかった」    あくびをしながらベットの上で頭を掻くリカルドの隣でノクスが体を起こす。 ノクスはベットから降りるとテキパキと着替えだす。   「早く明日からの旅行の準備をしないと」  明日からは7日間の休日をもらって新婚旅行に行く予定だった。 こんなに長い休みが取れるのは引退するまでは結婚休暇くらいなもので1度限りだったから使わない手はない。騎士団のトップ二人が一度に休むのだから引継ぎや根回しは本当に大変だった。  旅行は、2日間掛けてパレシアから東のザラに向かってリカルドの母の墓参りをしてから、そのさらに東にあるヤヒロという、独特の文化を持った温泉が有名な国で3日間滞在。2日掛けてパレシアに戻るという予定だった。 「まあまあ、気楽に行こうぜ」 「気楽に行けるか!旅先で何があるか分からないんだぞ。準備は万端にしておかなければ……」  遠征が多いリカルドと違って、ノクスはあまりパレシアから離れたことがない。その上慎重な性格なので、計画や準備は万全でなければ許せなかった。  今まで遠征以外、長期で出かけることはなく、しかも二人きりは初めてだ。不安もあったがどんな旅になるのかワクワクしていた。  旅から帰ってきたら来たら今度は新居探し。  やることは山積みだったか、二人でならそれも楽しそうだ。  「ま、何とかなるさ。二人ならな」    リカルドがそう言うと、ノクスがあきれたように言う。 「はあ、相変わらず、無鉄砲で、楽天的だなお前は」 「ああ、だからお前がいないとだめなんだ。……ずっとそばにいてくれよ」 「……しょうがないから面倒を見てやる」    そういって微笑むノクスにリカルドはキスをした。      Fin

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>