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「工藤先輩、見つかりそうですかね」
「分からん、今の時期は有名なコスプレイヤーはどこでも引っ張りだこなのかもな。というか、うちに単にツテがないだけかもしれないけど」
後輩の問いかけに、もう何度同じ答えを返しだろうか。パソコンのモニターに、魂が抜けたような顔の自分が映っていた。もう、かれこれ二週間くらい探しているものの、イベントに出演してくれるようなコスプレイヤーはなかなか見つからない。メールのフォルダを何度も開いては閉じるものの、返信があるメールの内容はといえば参加できませんというものがほとんどだ。
部長に大見え切って10人くらい集めてみますよと言ったはいいものの、最低ラインの5人さえ怪しい。今日3本目の缶コーヒーのプルタブに指をかける。喉を流れていく黒い液体の味を感じる余裕すらなかった。
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