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「どうぞ、粗茶ですが」 「ありがとうございます」  まるでお茶汲み係のようにお茶を持ってきた百草から、ティーカップを受け取った雪音は、一口含みながら香道の様子を窺う。  その横顔を怪訝な目付きで眺めていた小太郎が、イライラと貧乏ゆすりを……。 「おい、雪音。 お前なんでPMFなんてやってんだよ。 柄じゃねえだろうが」 「それはこっちの台詞。 あんたこそなんでこんな会社に入ってるのよ。 この会社は警備会社と銘打ってるけど、実際はカリオンの討伐を目的とした会社よ? あんたわかってここで働いてるの?」 「うっせーな、全部わかった上で入ってるんだっつーの。 ほっとけよ。 つか先に俺の質問に答えろよな。 なんでPMFなんて入ったんだよ、お前。 虫も殺せないくせに」 「ふんっ、今のあんたに答える義理はないわ。 約束破ったあんたなんかにはね」  それを言われたら何も言い返せないのか、小太郎は苦虫を噛み潰したように引き下がる。   「春日くん、ちょっと」  声のした方へ振り向くと百草が手招きしており、小太郎は雪音といがみ合いながら彼女の元へと向かう。 「なんすか、先輩」 「ううん、大した事じゃないの。 ただ、あの娘とどういう関係なのか少し気になって。 だってPMFで働く女の子と知り合うなんて機会、そうそう無いじゃない?」 「ああ、あいつとは幼馴染みなんすよ。 ただそんだけっすけど」 「へぇ、幼馴染み」
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