力の使い方

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「残念だったな! もうその攻撃は俺には通用しねえんだよ! 対衝滅(アナイアレーション)!」  改めて見ても、二人は自分の目が信じられなかった。  何故なら小太郎がゼフィアンサスの雷撃を右手一本で受け止め、あろうことか弾き飛ばしてしまったからである。 「グルルルル……」  流石のゼフィアンサスといえども、自らの攻撃が通じない相手とはまともに殺りあいたくないのか、小太郎から距離を取る。  だが、たかだか10メートル。  今の小太郎には何ら問題もない。 「へっ。 遅いッつーの!」  まるでいつぞやの香道時雨の如く、地面を蹴って急接近した小太郎は、間髪入れず右ストレート。 「どらあっ!」 「ッ!」  腰の入ったその拳は見事ゼフィアンサスに直撃した。 「ガ……ァ……………」  大木を何本も折りながら何十メートルと殴り飛ばされた巨獣は、最後にはピクリとも動かず地に伏せるのみ。  そしてやがて粒子へと姿を変え、空へと降りていったのだった。
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