手段

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「……って、俺は何したら?」 「ああ、そういえばお前にはまだ破壊手段を教えていなかったな。 丁度良い、この機会に教えてやろう。 百草、後は頼む」 『そうなるだろうと思って、既に準備してありますよ』  と、百草は軽やかなブラインドタッチで小太郎が持っているスマホ型デバイス。  携帯型増幅機Ⅰ(アーモリーワン)へ、とあるアプリを遠隔でインストールする。 『春日くん、デバイスを取り出してくれる?』 「……言われた通り取り出しましたけど」 『じゃあ次に、新しく追加されたアプリを開いてみて』 「アプリ? ああ、これの事か」  デバイスの画面に表示されているアイコンをタップ。  すると画面が切り替わり、中央に球体。  その周囲を三角形で囲んでいる画面が表示された。  球体にはDー310と記載されている。 「なんだこれ? 図面?」 『図面というよりは、解析データね。 そのテラーコアの』  よく見てみると、三角形の頂点と左側から波紋の様な物が広がっているように見える。 「先輩、この波紋みたいなのはなんなんすか?」 『それは荒巻さんと魚沼室長のアーモリーワンから発生している、虚数調整波ね。 その虚数波をテラーコアの虚数値に重ね、相殺。 テラーコアの影響で歪んだ次元を修正して、周囲の空間を三次元に固定する。 それが虚数調整波の役割よ』 「……?」  なにを言われているのか全く意味を解せない小太郎が呆然としていると、気付いた百草が溜め息混じりに。
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