手段

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『君にわかれと言うのは酷な話だったかな……。 まあ今は他の二人と協力する事でテラーコアを破壊できる、とだけ覚えておけば良いから』 「はぁ……そうっすか。 んで、俺はどうしたら?」 『まだ波紋が出てない地点があるでしょ? そこが君の持ち場。 取り敢えず移動して』  未だに何も理解してない小太郎は、言われるがままトライアングルの右側へと移動。  直後、アプリ内部のシステムが起動し、アーモリーワンから波紋を放出し始めた。 「よし、全員持ち場についたな。 暫くの間その場に待機。 テラーコアを破壊するまでその場を動くな」 「はーい」 「……なぁ、師匠。 ふと思ったんだけどさ、虚空針でこのテラーコアっての破壊出来ないのかよ? ゲートが破壊出来たんだからこれも出来るんじゃね?」 「たわけ。 ゲートとコアでは密度が違う。 まともに作用する筈がないだろうが」  と、怒られ苦笑いを浮かべていた最中。  デバイスが反応を示した。  テラーコアの波長と三つの波紋が重なった音である。 「うおっ、なんか鳴り出した! 師匠、こっからどうしたら!?」 「小太郎さん、画面に新しく表示されたデリートってボタンわかります? 中央辺りに出てると思うのですが」  花音に言われ見てみると、確かにデリートと表示されているアイコンがあった。   「ああ、見えてる。 これを押せば良いのか?」 「うん。 タイミングを合わせてね。 じゃあ押すよー。 さーん、にー、いーち……はい、今!」  ポチッ。  きららの声に合わせて二人がデリートボタンをタッチすると、デバイスから一斉にテラーコアと同じ波長の波を放出。  それらがテラーコアに重なった瞬間。 「おお……砕けた。 なんかあっけな……」  テラーコアは木っ端微塵。  大量のD粒子へと還り、霧散していったのだった。
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