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応援要請
第二分室室長、魚沼きらら救出要請から五日。
救助の成功、典獄級三体の討伐、更にはテラーコアの破壊を成し遂げた第六分室は、その功績を認められ待遇の改善が────なされる事はなく。
「あー……くっそ暇……。 やることねー。 ……なぁ、ししょー。 たまには稽古つけてくださいよー。 身体なまってしゃあなんいんすけど」
「お前と違ってわたしは忙しい。 他を当たれ」
「忙しいって、漫画読んでるだけじゃないですか。 読むくらいなら書類にでも目を通してくださいよ。 せめて仕事してるフリぐらい……」
「断る」
「……はぁ」
三人は相変わらず怠惰な日常を送っていた。
が、そんな状況を落ち着きのない小太郎がいつまでも耐えきれる筈がなかった。
「うぅ……うぅぅ……! うぅぅぅぅ……うがあああ! こんなんやってられっか! 暇すぎて死ぬわ!」
「黙れ、うるさい」
「だってよ、師匠! この五日間仕事っつったら、小型カリオンの討伐一回に、猫の捜索と近所のばあちゃんから依頼された病院への付き添いだけだぜ!? なのに他の分室の奴らはどいつもこいつも出動要請で忙しくしてるしよ! なんだよこの差は! 同じ会社内で格差社会過ぎんだろうがよ!」
いつもの事だからなぁ、と荒ぶる演説に耳を傾けながらドローンの動作チェックしていた百草を余所に、小太郎は続けて。
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