応援要請

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「知ってるか、師匠…………第四分室の奴らが俺らをなんて言ってるか。 あいつら俺らの事、穀潰し部署の穀潰しだなんて言いやがってんだぞ……! くそぉ! あんの野郎共、覚悟してやがれよぉ……いつか絶対ギャフンと言わせてやるからなあっ!」 「ははは……でも、そう言いたくなる気持ちはわからないでもないかな」 「でしょ!? 俺らだってこれでも頑張って……」 「実情はどうあれ、私達の分室は窓際部署だからね。 穀潰しって文句も言いたくなるよ、そりゃ」 「へ……?」  思いがけない言葉に小太郎が呆気に取られる中。  目を細める百草がとある人物を思い描きながらこう呟く。 「まあそれすらもきっと、あの人の思惑通りなんだろうけど」 「えっと、それってどういう……」 「………………」  答えられないのか、それとも応える気がさらさらないのか。  百草は黙々とアイパットでドローンの調整を続けていく。  そこへ沈黙を切り裂くよう、とある人物が現れた。 「失礼するわ」 「……ノックもせずに随分と不躾だな。 見たところ会社の者ではなさそうだが……」 「ええ、その通りよ。 私はPMF、アサルトサービスより出向してきた柊雪音。 今日ここに来たのは他でもない。 何でも屋と名高い貴女達ファントムライン第六分室に、応援要請の依頼を……」  その人物の名は、柊雪音。 「げっ、お前もしかして雪音か!? なんでお前がこんなところに!」 「こ、小太郎!? あんたこそなんでこんな会社に……!」  民間軍事企業(PMF)アサルトサービスより出向してきた、小太郎の知り合いであった。
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