はじめに

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
 最初に簡単な自己紹介。  中学生のころに海外ドラマにハマってから、ずっと映画や海外ドラマが好きだ。  基本的にどこかへ行くときはひとり。映画も演劇もラーメンも焼き肉も水族館も登山もひとり。だれかと一緒に行くのも好きだけど、自分から誘うのがとにかく苦手で、結局いつもひとりでふらりと行ってくる。  ようするに、人見知りなのだ。  交流会とかオフ会とか聞いただけで震え上がってしまう。知らない人怖い。  そのせいで、コアなファンが集まるイベントは苦手意識がある。  学生のころからずっと吉井和哉さんとTHE YELLOW MONKEYが好きだけど、ライブに行けるようになるまで五年くらいかかった。当時はライブそのものに行った経験がなかったこともあり、ライブ会場にいるのは全員ガチファンだと思いこんでいた。イントロを二秒聞いたらどの曲か判別できて当たり前。曲中に手の振りを間違えたり、うっかり「イエモン」なんて口にしようものなら古参のファンにボコボコにされるんじゃないかと、わりとマジでおびえていた。だから最初の何年かは「行ってみたい、かも」と芽生えた気持ちを「お前ごときが足を踏み入れていい場所ではない!」と叩き潰していた。意味不明である。  もうタイトルの意味がわかっていただけただろう。  レベル12。故郷を出て、次の村までは行けるけど、その次の村はちょっと厳しい。魔法なんかまだ使えない。そんなレベル。スキル「外面」を使えば多少のバフは得られるが、使うほどHPが削られるし、なんなら集中力低下というデバフがついてくることさえある。  そんなコミュニケーションのポンコツが、憧れの相手に会ったらどうなるのか。そのありさまをご覧に入れよう。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!