たまごの私

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私は、たまごになりたいと願った。 殻の中で籠れるし、外の光を浴びなくて済むからだ。 卵白がハンモックのような役割をしていて、身体を動かすと同時にふわふわと動き、寝心地が良い。 くつろいでいると、突然ふわっと宙に浮かび、外から何回もノックされる。 殻にヒビが入り、光が射し込む。 巨大な肌色の蛇が殻の中に入ってきて、殻は真っ二つに割れた。 外の景色が見える前に、真っ逆さまに落ちる。 落ちた先は、黒い地面。 卵白ハンモックのおかげで、怪我をせずに済んだ。 しばらくすると、ジュージューと音を立てながら、卵白ハンモックが少しずつ白くなっていく。 立ち上がって逃げようとしたが、卵白ハンモックと身体が引っ付いていて逃げれない。 まるで、身体に接着剤を付けられたみたいだ。 卵白ハンモックが真っ白になると、背中が熱くなってきた。 数秒もしない間に身体中が熱くなり、思わず悲鳴をあげる。 だが、私の悲鳴は届かず、ジュージューという音が響くだけ。 炎の上で全身を焼かれているようだ。 動くことが出来ないまま、意識が遠のいていった。
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