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AIは恋の夢を見るか
エッセイ、長らくお休みしていて、今回から新しいバージョンで始めたいと思います。😊
さて、テーマは「AIは恋の夢を見るか」
実はこのテーマ、フィリップ・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」をもじっている。これはアンドロイド(注、スマホのことじゃないよ)と人間の区別がテーマになっていているSF小説で、映画化もされました。「ブレードランナー」(ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー出演)ご存じの方もいるのでは。
ところで、AIが小説を書き始めたニュースは耳に新しいと思います。たどたどしくていかにも機械的な文章ではなく、人間が書いたとしか思われない文章を生成するそうです。
例えば、「舞い散る桜の花びらを見て、その心情を描写せよと」と命令すれば、少女が登場して桜の儚さを描写をする。別の描写を命令すれば、今度は違う側面から恋のゆらぎを書き込むそうです。つまり、バカの一つ覚えのような文章は生成しないということです。
具体的にいえば、エブリの妄想コンテストで「桜が嫌いな理由」というテーマがあったけど、AI人工知能はそのテーマに則して、心身を揺さぶる文学作品を書いてしまうというわけです。しかも、それが機械が書いたのか人間が書いたのか、選考者が識別できないほど精巧でクオリティが高いときている。
どうしますか?
機械に恋を教えると、機械は恋を学習する。そういう時代になったのです。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の世界ではアンドロイドが人間の心を持っていました。
映画「ブレードランナー」のラストシーン。残虐で冷酷なアンドロイドのボス(ルトガー・ハウアー)と警官の主人公(ハリソン・フォード)が死闘を繰り広げます。しかし主人公はついに負けてしまう。ついにビルから突き落とされ殺される…その瞬間、ボスは手を伸ばし、憎いはずの警官を助けるのです。なぜでしょう。アンドロイドも命の終わりがどういうものか、知っていたからです。
昨今、機械が心を持つフィクション作品は多いですが、現実の社会でもアンドロイドと人間の見分けがつかない社会が、すぐそこにあります。これを危機ととらえるか、歓迎するか、バカらしいと無視するか。
そういったテーマをこのエッセイに織り混ぜながら進めてまいりたいと思います。どうぞよろしく。
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