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昔々、あるところに哲学者の男と科学者の女がいた。彼らはニワトリ問題について真剣に研究していて、毎日顔を突き合わせ堂々巡りな討論を繰り返していた。
そんなある日、哲学者の男がニワトリ問題に終止符を打つ決定的な証拠を手に入れた。これを彼女に突きつければ、この堂々巡りな討論ももうおしまいだ。男は駆け足で科学者の女の元へ向かう。しかし女がいる部屋の前まで辿り着いた時、男の足は急に止まった。
これを話せばもう彼女と討論する機会はなくなり、もう彼女と会うことはできなくなる。それは男にとって喜ばしくない事だった。男は女の事を愛してしまっていたからだ。
迷った挙げ句、男は全ての証拠を破棄して女の部屋に入っていった。
この後の二人はどうなったと思う?
僕は彼女にそんな風に切り出すべきだったのだ。
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