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唐沢愛は私を見下ろしている。立場は逆転していた。そして彼女は、緑色の筒のようなものを取り出して蓋を開けた。
「なにかけてるのそれ?」
「粉チーズ。それと黒胡椒。美味しいんだよ。お母さんもやってみたら?」
「へー。じゃあちょっとやってみようかしら」
唐沢愛は私の頭の上に白い粉と黒い粒をかけていく。
『ごめんなさい。ごめんなさい。許して、お願いだから、許してください。もうあんなことしないから、許して』
私の言葉はまるで聞き入れてもらえず、彼女は箸で黄身を潰した。そのまま何度も何度も私の体を貫いていく。
感じたことのない痛みが全身に渡り、意識が朦朧とする中で、私は彼女の言葉を聞いて最後に絶望した。
「あー美味しい。卵かけご飯最高! 明日もたーべよっと」
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