4人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
④
それを見て、司は竹刀を正眼に構える(剣先を相手の目に向ける構え)。
「おやおや、やる気かい? おねえちゃんショックじゃないんだ。悲しくないんだ。強いねえ。でも、この狭い部屋で竹刀を振り回せるかな。それに竹刀じゃ人は切れないよ」
司は、問答無用で一閃踏み込んだ。
バシッ!
竹刀は、包丁を持っている男の右手を打った。男は、包丁を取り落とす。トンとテーブルに刺さった。
「いってー、おねえちゃん何段? 竹刀が見えなかったよ」
男は、司の第二撃が来る前に、包丁をテーブルから抜き取った。
そのまま両手を後ろに回し、テーブルから離れて司と対峙した。
「さあて、右から行こうか、左から行こうか」
右左に小刻みにステップしながら隙をうかがう男。
司は、躊躇せず再びダンと踏み込み、剣先で男のみぞおちを正確に突いた。
「ぐはっ!」
膝をついて座りこむ男。司は、その機を逃さず竹刀で包丁を持った手を打ち払った。飛んで行く包丁。更に竹刀を振りかぶる司。
最初のコメントを投稿しよう!