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【他に何のミッションがあるっていうのよ? とにかく、泊りに行っていい? 詳しく報告するからさ】
こちらからご招待したいくらいだった。三日後に締切が迫ったレポートもあったが、それどころではない。事情聴取しなくては! と思った。
ミーナはバイトが終わったら私のアパートに直行するという。要するに、私の許可を得る前から泊まる用意をしてきたわけだ。
振り返れば、ミーナが初めて私のアパートに泊りに来て一晩中パジャマ・トークしたのはほんの二週間前のことだった。
恋愛話の流れでミーナから「香奈子ってもしかしてまだ処女?」と直球質問された。「まだ」と言ったら馬鹿にされるのだろうと予想していたけれど、ミーナの反応は違った。
「恥ずかしがることはないわ。大切にしないと。処女かどうかってことは、男にとって大問題なんだから。安売りするんじゃない、って、いつも姉さんたちに言われてきた」
都内の女子高を卒業したミーナは、高校時代から可愛がってくれているお姉さんのような先輩が二人同じ大学にいて、よく遊んでいるようだった。ミーナは彼女たちを「姉さん」と呼んでいた。一度写真で見たことがあるが、いかにも『一軍女子』といった華やかな女子大生だった。
「とにかく男は『処女』が好きだって。他の男を知らない女を初めて抱くっていうことに、童貞男は安心するし、経験豊富な男は支配感があって興奮するらしい。単純よね。でもだからこそ価値があるのよ! 相手を選ばないとね。安い男に『初めて』をあげちゃだめ。こちらからお願いしたいような男に『献上』するのよ!」
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