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父が亡くなる。
そう思った途端、まるで脊髄反射のように、頭が回りだした。
父が亡くなる。今日はともかく仕事は休みを取ろう。母のお葬式の時と同じようなことをしなければならないのだ。連絡は誰に取るべき?いや、まずはやるべきことをリストアップして、手順を考えなければ。その前に少し眠ろう。次に入院手続きだ。入院は細々したものを入院の手引きに従って、用意しなければならない。
感情は ...この時はなかったように思う。
いや、感情をなくそうとしていたのか?
父や母や、妹の莉子がいつもコオに望んでいたようにしていただけだったのかもしれない。
それは
「困った時に役に立つ娘、あるいは姉である」
こと。
便利屋であること。
このとき、そこまで考えていたわけではない。
ただ、脊髄反射のように、コオは動いたのだ。
ともかく、入院手続きをするまでは、特に今はできることは何もない。
コオは一度家に戻ることにした。
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