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「司祭様はご健在でしょうか」
ある時、十四、五歳ほどの少女が一人で私を尋ねて参りました。
数年ぶりに開いた門扉の向こうに、彼女はぽつんと立っていました。
長い黒髪は荒れており、服はほつれ、煤汚れでしょうか、指先は黒ずんでいました。今までの生活が知れるようないでたちでした。
どうして彼女はこんなところまでやってきたのでしょうか。
何一つわからぬまま、私は頭を振りました。
「私はもう司祭ではありません。名前のない咎人です」
「いいえ。司祭様。私は聖女様より最期の命を下されたのです。黒い森に住まう司祭様のもとで、修行をしなさいと。
このようななりをしておりますが、私は聖女のたまごなのです」
そう言って、彼女は私に一通の手紙を差し出したのでした。
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