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「私、透太くんと再会して、これで良かったんだって思ってたの。今こうして透太くんがまた写真を撮って過ごしてるなら、あの時、透太くんは逃げて良かったんだって。あの行動は正しかったんだ、ああするべきだったんだって、そう思ってた」
「……」
「でも、きっとそんなこと、無かった」
「……」
「何がなんでも、止めるべきだった」
私がちゃんと、止めていたら。
彼の手をしっかりと掴み、離さないでいたら。
そうすれば彼は、犯罪に手を染めることもなかったのかもしれない。あんなに大きな消えない傷を負わずに済んだのかもしれない。
「ひとりぼっちにさせちゃ、だめだった」
私のせいだ。
全部、私が悪い。
私が、選択を履き違えた。
なのにどうして、傷つくのはいつも、彼なんだろう。
「そばにいて、あげたかった」
堪えきれなかった涙が、喉につっかえていた言葉達が、箍を切ったようにポロポロと溢れてくる。
理仁の手に、ぎゅっと力が篭もる。少し掠れた声が「羽菜」と私を呼ぶ。
「…りひと、」
呼応するように、その名前を呼んだ。
いつも私を照らしてくれるひと。
正しい場所へと導いてくれるひと。
「私は、どうしたらよかったのかなっ…」
くしゃりと顔を歪め、手の甲で何度も目元を擦る。いくら拭っても止め処なく溢れてくる涙がやがてコンクリートに落ち、ぽつぽつと染みを作っていく。
「っもう、戻れないの…?」
3人で笑い合った、あの夜に。
星を見に行こうと約束した、あの瞬間に。
「…っわたし、戻りたい。透太くんが居なくなる前にっ…」
「…羽菜、」
「戻りたい…っ、もどりたいよぉ……っ」
到底 叶いもしない事を涙に濡れた声で繰り返し口にする私を、理仁は掻き抱くようにぎゅっと抱き寄せた。
痛いくらい抱きしめられるその腕の中で、私は声を殺さずに、まるで子供のように泣き続けた。
───きつく閉じた瞼の裏側には、果てのない暗闇だけが広がっていた。

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