生ぬるい

　今日もぬらぬらと過ごす内に夜勤は終わった。来週のシフトを確認すると、案の定、夜勤、夕勤、夜勤、朝勤、休み、夜勤、夕勤と、無茶苦茶なシフトだった。これでは来週も頭がぼーっとするのは確定だなと覚悟して店を後にし、ボロマンションまで帰った。

　周りがこれから仕事や学校だって様子できびきびと街を行き交いする中、自分はこれから帰って寝れるんだと少し優越感を感じながら、ぐだぐだと歩く。マンションに戻る帰り道に牛丼屋に寄り、安いからという理由で夕食である朝食セットを食べる。本当にお金のない時は、食パンやカップラーメンで済ませるから、今日はまだ贅沢なくらいだった。

　夜になり、また寝たか寝てないか、わからないまま出勤すると、入れ違いで仕事が終わる店長に、帰る前に怒られた。
「杉田君さあ、清掃の確認のはんこ、押してなかったよ」
　僕は、押したか押してないのかはっきり思い出せなかったので、とりあえず、「すいません」と謝った。
「あのさぁ、いい歳なんだから、責任感持って働いてよ。今時そんな３０代いないよ」