生ぬるい

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 僕は怒られてまた頭を下げた。店長と言っても僕より確か二つくらい若かった。こんな店の店長くらいでいばるなよって、言い返してもよかったのかもしれないけど、確かにアルバイトの管理とか、発注から何もかも責任持って働いているんだから、僕よりよっぽどしっかりしているのはわかった。腹が立つわけではないけど、なんだかイライラした。だからと言って自分が変わるわけもなく、いつも通りのらりと仕事をこなしただけだった。仕事が終わり牛丼屋の前を通ったけど、今日は食欲がなくて、カップラーメンかなにかで済ませることにした。  昼過ぎにトイレに行きたくなり起きた。喉も乾いていたので、キッチンでコップに水を注ぎ飲もうとすると、キッチンの台の隅に卵が一個落ちていた。卵と言っても、いつも食べている鶏の玉子ではなくて、もっと小さくて白くて、うずらくらいの、いや、それよりもう一回り小さい卵だった。窓も開いていないのに、どこからこんな卵がまぎれこんでいるのか謎だった。僕は、この部屋にトカゲや蛇でも住んでいるのかと気持ち悪くなったけど、どうしていいかわからずそのまま卵は放置しておくことにした。  
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