発見

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「去年発掘された約1万年前の教科書と考えられる書物に記された文字がついにすべて解読されました。」 テレビの中のアナウンサーが原稿を読み上げる。この報道によると書物は人間の生殖について書かれていたそうだ。胸部に二つ突起がついている人間と股間に突起がついている二種類の人間の写真も載っていた。前者が女性、後者が男性。これは進化が始まる前の人間の姿である。 現在、人間は卵から生まれるいわゆる卵生そして、雄雌両方の生殖器官を一つの個体が持つ雌雄同体になっている。 話は変わるが、歴史の授業で昔の社会では男尊女卑という風潮があったことを学んだ。これを変えようと活動していた人もいたが、社会が変わるよりも先に人間の進化が達成された。これにより、人間は生物学的な性別に翻弄されることなく、性別を選択しない人や、好きな性別で生活をする人、それぞれが自分らしく生活している。その生活様式もひとりや好きなパートナーなどさまざまである。また、妊娠も妊娠したい方の人がすることや、妊娠期間が短くなったことでストレスが小さくなり、全人口に占める子供の人口がどんどん増えている。育児の面でも昔のように男性は外に出て働き、女性が家で育児をするのが当たり前という考え方が通用しなくなり、その家庭にあったかたちの育児が自由に行われるようになった。 今回の報道で改めてこの時代に生まれることができてよかったと思った。 女性として昔に生まれてたら、どれだけの理不尽を感じるか考えるだけで腹が立つ。
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