たまごの取締人

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「ちょっと、寝ちゃった?」 どれくらい時間が経ったのか僕は目を閉じて直ぐに意識を失ったようだ。 先輩がゆさゆさと僕の身体をゆすり、車外へ出る様促す。 「今度は人の除菌だそうよ。入所に関しては問題なさそうね」 調整官がタブレットに表示されたチェックリストをタップしている。 何をしているんだ僕。除菌ライトに当てられて寝るって。 先輩は僕の様子になんら咎めるでもなく、人体の除菌室へ進んだ。 人体の除菌室は4階層に分かれていた。 まずは足元。透明の台座に乗ると膝から下に風が当てられ吸引機が吸い取る。 衣類に付着している花粉やほこりも取り除くのだろう。 次に首から下は両手を上げて、わきの下まで入念に除菌。 手指に関してはスプレー噴射と乾燥、除菌ライトの徹底ぶり。 最期は頭部。髪の毛は埃をため込むから足元と同じように風が当てられた。 除菌が終わると保護服が広がった状態で目の前に現れる。 『そのまま、前にお進み下さい』 機械的な音声で動作を指示される。 パンッ!!! まるで、ラップにくるまれた様な気分だ。 僕より先に除菌室を出た先輩と調整官がタブレットを睨んでいた。
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