勇者召喚された青年

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勇者召喚された青年

「いらっしゃいませ、勇者様!」 学校の帰りに地面がいきなり光ったと思うと、次の瞬間にはこの知らない人に囲まれた知らない場所に飛ばされていた。 戸惑いながら立ちあがろうとすると、美少女が手を差し出してくれている。その手を取って立ち上がった。 「ありがとう。君は?」 「私はこの国の第二王女のアリアと申します。今回は召喚に応じていただき誠にありがとうございます!」 「いやいや」 どうやら、僕は勇者として召喚されたらしい。これが夢なのか一瞬つねってみたが、ちゃんと痛いので現実のようだ。 「現在、この国はじわじわと魔国からの侵略を受けておりまして、そのため、そのトップである魔王を倒してくれる人材を求めていたんです。そんなとき、この召喚陣のことを思い出して召喚するに至りました。勇者様、これからよろしくお願いいたします」 「僕はなにをすれば良いんですか?」 「まずは、戦闘技術を勉強していただければ、と思うのですが、いかがでしょうか?」 可愛い子が困っているのであれば、それはやらないわけにいかない。 二つ返事で承諾し、しばらくは兵士のたまごとして戦い方の基礎を学んだ。平和な日本から来た僕はもちろん剣を使うなんてはじめてのことで怪我も絶えなかった。 それでも、勇者として召喚されたがゆえのバフがあるから普通の人よりはマシだったのだとは思うけれど、楽なわけではない。 何度も心が折れそうになったが、そのたびにアリアが治癒魔法をかけてくれて、励ましてくれるので、一生懸命学んだ。
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