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一話 通学路にて考え事。
21XX年 07月01日 07:45 am
「暑い・・・・・・」
私― 菊平雪絵 は通学路をトボトボと歩いていた。
なんでトボトボ歩いているのかというと、ただ単に「暑い」というのと、私の通っている”霧乃高校”というところで「”力”測定テスト」という試験が実施されるからだ。
「力」とはなんだろう?
「力」と聞いて疑問に思う人が多いだろう。
たしか、昨日先生がそのことについて話していた。その話によると「力は生き残った人類全員が持っている」ということしかわかっていないらしい。
この話からわかることは、「力」というものは「謎」。
そう、全く知られていないのだ。
まぁ、七日前に世界が滅んだばっかりだから知られていないのも当然だけど。
そんな事を考えていると、後ろから誰かに声を掛けられた。
「おーい、雪絵ー」
「・・・んあ?」
私の友人、 朝川あずさ だ。
高校生になって初めてできた友人。私にすごい優しい人。そして、めちゃくちゃ授業をサボる。
ちなみに、機嫌が悪いときにロロロソン(コンビニエンスストア)のKチキを上げると機嫌が良くなる。
「んあ?って何よ・・・。さらわれた彼氏のことでも考えてたのー?」
「・・・いや、違う・・・けど・・・」
さらわれた彼氏。
私の大切な人。私を闇の奥底から救ってくれた人。
名前は――
「違うなら何よ〜」
と言いながら、ニヤニヤしてくるあずさ。そして、にやにやしながら私の弱点である脇の下をくすぐってきた。
「こちょこちょこちょぉぉぉおおぉっ!!!」
「ひゃぁぁぁぁっ!?やめろこのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
私も、あずさの弱点である首をくすぐり返す。
「ひゃんっ!?や、やったなぁぁぁぁ!!!ゆきえぇぇぇぇぇぇっ!!!」
その後も私達はくだらないくすぐり合いを続けた。
そして、見事に遅刻した。
登校完了時刻(08:30 am)を十分くらい過ぎて登校した私達であった。
以上。
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