二話 あずさの俊足と力測定テストの始まり

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二話 あずさの俊足と力測定テストの始まり

21XX年07月01日 08:40 am 一時限目の前の休み時間。 私とあずさは、二人で教室にいた。 そして、ちょっとしょんぼりしていた。 なぜかって? 遅刻して、先生に睨まれ、みんなに笑われたから。 隣同士仲良くしょんぼり。 しょんぼり、しょんぼり、しょんぼり・・・・・・。 しばらくして、しょんぼりしながら時計を見た。 08:43:50 やべぇ☆ あと一分くらいで授業始まっちまう☆ 次の授業なんだっけ・・・ 1理科 生物室 2体育 グラウンド (パワー)測定テスト  ︙ 生物室だ☆ 一番遠い☆ やべぇ☆ 「あずさ!行かないとやばい!」 「ふぇ・・・?・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!??」 あずさが発狂する。 私とあずさは慌てて教科書を取りに行った。 08:44:10 あと50秒 そして私はあずさより先に教室を飛び出した。 私は疾風のごとく走り出す。 08:44:23 あと37秒 廊下の角が見えてきた。 私は廊下の角を曲がる。 曲がるとき、あずさが教室を出ているのが見えた。 あいつ、絶対遅刻するな。しめしめ・・・w と、心のなかで思いながら走る。 08:44:29 あと31秒 階段が見えてきた。 今ここは4階。生物室は一階だから・・・ ダッシュで行かないとやばい!! 私は階段を駆け下りる。 駆け下りようとした。 「ちょっと、雪絵!おいていかないでよぉっ!!」 「・・・え?」 振り返ったら、 あずさがいた。 待て待て待て? どうやってこんな短時間でここに来た? え?E?e?ゑ?ぇ?ェ?ヱ?エ? 私でもここに来るまで20秒くらいかかったのに・・・!? あずさったら、十秒以下で・・・ッ!? 08:44:40 あと20秒 「ちょっと、なにぼうっとしてんの?行くよ!」 怒ったように言って私の手を取る。 そして、私の手を引っ張って連れて行く。 あずさは走り出した。とんでもないスピードだった。 チーターのように、早い。 人間の速さじゃない。 怖いくらい、早い。 もしかして、これって――― 「よし、ついた!」 あずさはバァァァン!と戸を開けて、私と後ろの席へ行った。 座ったときに、時計を見たら―― 08:44:58 ギリギリセーフ・・・? まじか。 キーンコーンカーンコーン・・・ ガラガラガラガラ 「はーい、授業を始めますよー。号令ー」 と言って、生物教師で私達のクラス(一年四組)の担任、一ノ瀬(イチノセ)花魅(ハナミ)先生が入ってきた。 「きをつけ、礼」 男子の学級委員長、原島(ハラシマ)佑樹(ユウキ)くんが号令をかける。 ちなみに、女子は横山(ヨコヤマ)結月(ユズキ)さん。 生物の授業が始まった。 はじまったが、集中できなかった (パワー)測定テストのせいだ。 次の授業は、(パワー)測定テスト。 何をして、何をされるのか――― 二時限目 「号令!」 体育教師、強豪(キョウゴウ)伸之(ノブユキ)先生が威圧感たっぷりの声音で言った。 「気を付け、礼」 「「「「「「「「「「おねがいしまーす」」」」」」」」」」 クラス全員がクソデカボイスで言った。 なぜクソデカボイスなのかというと、クソデカボイスでないと怒鳴られてやり直しをさせられるからだ。非常に面倒くさい。 だから、みんな声を張って、授業も真面目に取り組む。 強豪先生が言った。 「今日はパワーソクテイテスト・・・?だったか?が、ある!各自真剣に取り組むように!」 「「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」」 「今からプリントと冊子を配る!配られたものから目を通すように!」 「「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」」 強豪先生は、小さなプリントとなにかの冊子を配り始めた。 まず、プリントには、こう書いてあった。 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼        「今日の予定」 二時限目・・・冊子を読む 三時限目・・・(パワー)測定テスト(女子) 四時限目・・・(パワー)測定テスト(男子) ※二〜四時限目は各60授業、授業の間は10分の休憩 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ なるほど。今日の予定か。 予定通りに動かないとまた怒鳴られるだろうなぁ・・・。 と思いながら冊子に目を通し始める ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼      「(パワー)について」       著:伊藤 信子      協力:桜井 朱音         吉田 庄司           ︙ ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 「(パワー)について」。 一番知りたかったこと。 私は、夢中でページをめくり始めた――― 以上
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