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死期折々……。
子供のいなかった伯父
それが死んだ時に部屋を片付けたのは一番仲の悪かった甥っ子の俺。
それ というぐらい嫌いだった。
子供の頃からずっと嫌いだった。
その理由はなんだろう?って大人になって考えた、たしかガキの頃にね俺が会ったことない父のことをね
クソミソに言われたんだ。
お前の親父はロクデナシ。
それが私怨となって大人になるまで。根が深いものになってた。
伯父亡き後、言葉選びは気をつけなけりゃいけないと伯父が教えてくれたような気もしてる。
そんな伯父だがね妹である母には優しかった、母が補聴器が必要になった時に真っ先にお金を出してくれたのだと姉から聞いた。
姪っ子の就職を誇りに思ってくれて誰より喜んでくれてたとも。
我々は家族なのか
親しみの気持ちもなく伯父の部屋でその生涯の痕跡を片付けながら
偉そうだったわりにチンケな死にざまだなと思った。
伯父には俺を含めて八人の甥っ子姪っ子がいて俺には五人の伯父伯母叔父叔母
おじおばおじおじおば。
死んだのは長兄の伯父
伯父が一番嫌いだった甥っ子は俺。
俺も死んだ伯父が一番嫌いだった。
1周まわって両思いのようにさえ感じる。
母を大切に思ってくれてありがとうという気持ちだけで片付けを終えた。
それから暫くして都内の役所から
一通の封書が俺の元に届き
伯父がロクデナシと言ってた親父の死を知った。
それは死亡から半年も過ぎての事だった。
借金の相続について…………。
しばし絶句して……
伯父さんを思い出して笑った。
伯父さんが正解だったよと。
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