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イチャイチャ
でもさあ、ずっと友人で、ケンカ強えのも知ってて、こんだけ一緒にいて、それで今更「性別は?」「Ω性で辛くない?」なんて聞きづらすぎなんだけど。
何よりも、俺が本当は全部気づいてる上で接してたって知ったら、どんな顔するんだろうって思うと聞けねえよな。
傷つけちまうかもしんねえな、って思うと、その話題はなんとなく避けちまう。
そんな感じで、今日まできちまったわけなんだけども。
「なんでなんだろ」
「何がだよ」
「…あ、ナオ。読み終わった?」
「ああ」
ポロリと本音を零した瞬間、目の前には屈んで俺の顔を覗き込むナオの切れ長の瞳があった。
どうやら漫画は読み終わって、やっと俺のことを構ってくれる時間になったらしい。
上半身だけ起き上がると、目の前の細い腰に両腕を回して自分の方へと引き寄せる。
ビクリと一瞬体を硬直させたナオだけど、なすがままにベッドの上に乗っかってきてくれる。
「んーなんかナオ、いい匂いすんな」
「…そ」
柔軟剤の匂いだろ、と色気のないことを言われてしまう。
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