打ち明ける

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打ち明ける

 そう考えると離れるなんて怖くて出来ない。  こいつ、俺と付き合う前まで、マジでよく無事だったな。  薬飲みまくってたんじゃねえの?  それで体って大丈夫なわけ?  なあ、ナオ。  不安な気持ちを打ち消したくて、思わず抱きしめる腕に力を込めると、ナオが俺の胸元でウグッと呻いた。ウグってなんだよ。マジ好き。  「なあ、ナオ、お願いがあんだけどさ、いい?」  「…それより、苦しいっつーの」  「あ、わり」  「…なんだよ、変なことなら殴んだけど」  「…むしろ変なことってなんだよ?」  「…きかなくていいのな」  「あ、ちっと待て、えっと、…あのな。うーん」  「なんだよ、気になんだろ」  上目遣いで俺のことを見上げるナオのこめかみに、ちゅ、っと音を立てて前髪の上からキスをする。  そしたら、そこを手でぱっと手で払われちまう。  ツンツンしていても、頬が淡く染まってる。  うん、やっぱいい匂いすんな。  よし、俺はもう心配したくねえんだ。  「…俺、ナオの番になりてえんだけど」  「……え?」  「ごめん、俺、知ってんだよ」  何よりさ、俺が番になれば発情期も落ち着くらしいし、決まった相手以外の他の誰かを惹きつけちまうこともなくなるらしいじゃん。  Ωが番うとそうなるって、教科書にだって書いてあるじゃん。  もしナオが発情期に苦しんでんなら、俺と番えば生活するのだいぶ楽になると思うんだけど。  なるべく真剣になりすぎないよう、明るい声でそこまで一気にまくしたてる。
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