恋人時間

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恋人時間

 紆余曲折ありつつ、-今では、その心までも、自分のものだなんて思ってんだけど。  「なあなあナオ、今どこ読んでんの」  「…うせえな、つまんねえなら寝てりゃいいだろ」  「まあ俺は、ナオの背中見てるだけでも楽しいからいいんだけどね」  「…ほんとやめろおまえ、そういうこと言うの」  あ。本気で嫌そう。  そんな変なことか?好きなやつのことずっと見てたいって。  まあ確かに背中見てるだけで楽しいとか、はっきり言ってきもいけど。  かれこれナオがうちに来て漫画読み始めて30分は経つと思うんだけど。  俺はベッドにころがって、床に座ってジャンプ読んでるナオの後頭部をぼーっと眺めたり、うつぶせになってどーでもいい考え事をしたり、ゴロゴロしてる。  意地でも横に行ったりなんてしねえ。  だって俺はナオにベッドに来て欲しいんだから。  なのにさ、わかっててこうやってつれないんだよな、ナオは。  でも俺なら良くない?もっと甘えれば?なあ。なあなあ、なあってば。  「マジで純平はウザい」  「はーい。寂しいから、コンビニ行こーかな~」  髪を一束とってツンツンと弱くひっぱってたら、ピシャリとそう言われちまう。
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