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仲良し
どうやらもうしばらくイチャイチャタイムはお預けらしいので、ぼふんと枕に頬を埋める。
と、ナオがチラリとこちらを振り返って一言だけこっちに向かって投げる。
「…ばか。もう少しで終わっから」
どんなに小さな声でも聞き逃したりしない。
ナオのばか、はすき、って意味だ。
そんで、もう少しで終わる、は、まだもう少しだけそこに居てくれってこと。
そしたら俺の腕の中にきてくれるんだろう。
なんでもないそんなくだらねえことでも俺は嬉しくてたまらなくなっちまう。
多分、ついにやけちまってたんだと思う。
ナオは、なんとも呆れたような顔をしてから少し片方の口角をあげると、その視線を再び漫画の方へと戻した。
何その顔。俺が大人しく待ってんのってそんなおもしれえの?ちっくしょ。
じゃあちゃんと待っててやるよ。
そんな顔されたらさ、俺にはそれしかできないじゃん。
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