同級生の死

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同級生の死

中学2年の時だったか3年の時だったか、はっきりとは覚えていない。 隣のクラスの女子生徒が亡くなった。 真相はわからないが、自殺という噂が真しやかに囁かれていた。 彼女は、転校生で隣のクラスでもあり、ほとんど話したこともない子だった。ただ、体育は2クラス合同でするので(当時、体育と家庭科〔男子は技術科〕は男女別だった。)その時は一緒になる、そのくらいの付き合いだった。 ただ、何の偶然なのか、亡くなる前日に、初めてだと思うのだが、その彼女と少し話をしたのだ。話の内容は覚えていない。 そして、翌日亡くなったと学校で聞かされた。中学生という多感な時期であったこともあり、凄く衝撃を受けた。 昨日話したばかりの人が、もう、生きてない、ということに… 親しい友人でもないのに、お葬式に行き、線香を上げて手を合わせた。でも、何をどう祈ればいいのか分からなかった。 彼女の“死”をきっかけに、私は信仰を求めるようになったと思う。 それ以前から、そんな気持ちはあったのだ。 どうして人は違うのか。美しく生まれる人、そうでない人。金持ちの家に生まれる人、貧乏な家に生まれる人。なぜ私は女に生まれたのか。 才能がある人とない人。なぜ、どこからその違いは生まれるのか、それが知りたかった。 そもそも、我が家は封建的で、兄は後を継ぐ者として大事にされていたが、私は女なので、いずれ嫁に行く我が家には役に立たない者と軽視されていた。 両親はそれほどでもなかったが、祖母は明らかに差別していた。 いくら私が勉強を頑張って成績が良くても、大して褒められもしなかった。 家の中で、(母もだが)女の意見はほとんど軽視され尊重されることはなかった。実際はそうでもなかったのかもしれないが、そんな空気があって、私は常に疎外感があり、早く家を出たいという気持ちがあった。
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