1人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女の行方
それから僕は必死に佳乃を探した。彼女の職場を訪ねた。住んでいたアパートの住人にも話を聞いた。
だけど何も分からなかった。分かったのは、僕が佳乃のことを何も知らなかったということ。実家の住所も親しい友人のことも、何も。ただそばにいられるだけで良かったなんて、そんな現状に甘えていたんだ。
だから僕は佳乃を見付けなければいけない。見付けて伝えるんだ。君のことをこんなにも愛しているんだと。これからもずっと僕らは一緒なんだと。
そして彼女がいなくなってから二ヶ月。僕はとうとう彼女を見付けた。
今、行くよ。佳乃。
最初のコメントを投稿しよう!