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そこに白衣を着た熊埜御堂玲香が立っていたのだ。
立っていたのだが……。
「何で……」
そこに立っている玲香は、怜陽にとって見える方ではなく、視える方の人間……。つまり幽霊だった。
一体何があったのか? ずっと憧れていて、いつか同じ職場で働くことを夢見ていた相手が、まさか死んでいたなんて……。
『あら、アンタ、アタシが視えるの?』
玲香も怜陽に気がついて近づいて来る。
「何で? 何で先生が?」
『ん? アンタ、アタシのこと知ってるの? まぁ、アタシって有名人だから、アンタくらいの歳の子でも知ってる子はいるかぁ』
玲香は幽霊らしくない優しい微笑みを浮かべた。
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