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月日は流れ、玲香が姿を見せなくなって十月十日。
「鳥塚先生、外科部長がお呼びです」
回診中の怜陽を、看護師が呼びに来た。
「あ、分かった。有難う」
返事をすると、怜陽は急いで医局に戻る。
「外科部長!」
「おお、鳥塚先生! たった今、秋絵から電話があった。そろそろらしいからすぐに行こう」
「はい」
怜陽と一条は、白衣のままで大急ぎで駐車場に向かい、怜陽の車に飛び乗った。
「綾香の時の熊埜御堂先生になるとマズいからね。くれぐれも安全運転で頼むよ」
「はい。とはいえ、中央分離帯を乗り越えて来られたら、どうしようもありませんけどね」
「まぁ、確かにそうなんだが、同じことがあったら、俺はもう立ち直れんぞ」
怜陽はエンジンをかけると、車を発進させた。
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