30人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやいやいや、それはダメだって言ったじゃん」
怜陽は即座に反対の意思を示す。
「何でよ?」
「いや、だって、玲香っていうと、どうしてもあの人のことを思い出しちゃうだろ」
「じゃあレオくんは、玲香先生のことを、記憶から消しちゃいたいの?」
玲奈が怜陽に詰め寄った。
付き合い始めてから今日まで、玲奈が怜陽の言うことを、否定したり批判したことは一度もない。
「いや、そういうわけじゃないけど」
「だってこの子が、玲香って名前を望んでいるんだよ」
「えぅ、どういうこと?」
「嘘だと思うなら、色んな名前で呼びかけてみて」
玲奈は娘の方を見る。
「名前って?」
「女の子の名前。色んな名前で呼んでみてよ」
玲奈に言われて、怜陽はベビーベッドの前に立った。
最初のコメントを投稿しよう!