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「まずいわね。急がないと」
マズいと言うのは、おそらく自分の状態の事だろう。もしかして俺、死ぬのかな?
怜陽は不安になった。
死にたくない。まだ十六歳だ。将来の夢なんて何もないけど、でも十六歳で死んでしまうのは、いくら何でも早過ぎる。
だけど……
「まぁでもアナタ、ラッキーだわ」
ラッキー? 事故で死にそうなのにラッキーとは?
「アタシがここにいなかったら、多分助からないわね」
どういう意味……? ってことは俺は助かるのか……?
その意味を考える間もなく、怜陽はそのまま意識を失ってしまった。
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